涅槃経の教え―「わたし」とは何か― 同朋選書40
B6判
184頁
古田和弘 著
978-4-8341-0395-3
1,100円(税込)
親鸞聖人が大切にされた『涅槃経』で説かれている「王舎城の悲劇」を中心に、釈尊が救おうとはたらきかけている存在としての「わたし」とは何かを考えていく。
目次
第一章 『涅槃経』と真宗
『涅槃経』と親鸞聖人/王舎城の事件と『涅槃経』/『涅槃経』というお経/涅槃について/『涅槃経』の涅槃
第二章 釈尊の入滅
入滅の予告/鶴林―生と死―/純陀―最後の供養を捧げた人ー/二種の施職/肉身と法身/仏の本性
第三章 如来すなわち涅槃なり
諸行無常/如来は諸行か/法身と応身/「如来は常住にして、変易あることなし」/如来性・大般涅槃
第四章 衆生とは何か(一)―「わたし」はどのような者なのか
如来とは何か/衆生とは/衆生に仏性あり/貧女宝蔵の喩え/「わたし」の発見/大信心は仏性なり
第五章 衆生とは何か(二)―「わたし」はどのような者なのか
いずれの行もおよびがたき身/「仏性」という教えに先立つ教え/『法華経』「一乗」の教え/常不軽菩薩/自性清浄/「仏性」は仏に成る可能性のことなのか
第六章 衆生とは何か(三)―「わたし」はどのような者なのか
「わたし」が仏に成るということ/「わたし」は凡夫なのか/一闡提/「悉有」と「唯除」/なぜ一闡提は除かれるのか
第七章 仏法から除かれる者(一)
「仏性」のない者/「往生」から除かれる者(『大無量寿経』)/五逆を犯した者/「成仏」から除かれる者(『涅槃経』)/一闡提不成仏/一闡提とは誰のことか
第八章 仏法から除かれる者(二)
阿闍世の逆害/頻婆娑羅王/提婆達多/韋提希夫人
第九章 仏法から除かれる者(三)
阿闍世の病/自性清浄心/六人の大臣 六人の宗教家/名医耆婆
第十章 仏法から除かれた者の救い(一)
耆婆の真心/父の声/阿闍世のために涅槃に入らず/月愛三昧/無根の信
第十一章 仏法から除かれた者の救い(二)
ただ一闡提を除くということ/仏性への疑い/救われるはずのない者の救い/不決定
第十二章 私物化してはならない「わたし」
「わたし」とはどのような生き者なのか/「栴陀羅」について
あとがき